ピーチマン

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「ベトナム戦記」読了

ベトナム戦記 (朝日文庫)

ベトナム戦記」読了。小説家でもあった作者が、ベトナム戦争初期の1964年から1965年にかけて約100日間南ベトナムに滞在し、週刊誌「週刊朝日」に連載していた文章を帰国後に本人がまとめたもの。ベトナム戦争はその10年後の1975年に終了しますが、丁度アメリカが本格介入した頃で、その当時の日本の誰も、ベトナムで実際何が起こっているのかわからなかった。


サイゴンに滞在しながらベトナム共和国とは何か、南ベトナム解放民族戦線とは何かと、手探りで情報を集めていく描写が生々しい。終盤、政府軍に同行してジャングルに潜入し、音もなく移動するベトコンの猛射を浴び、夢中で逃げて200人いた部隊が17人になり、ボロボロで基地まで戻った後、政府軍の精鋭だという青年将校が、何年も闘っているはずの敵方の指導者の名前も、正式名称(南ベトナム解放民族戦線)も知らなかった事を知った時の衝撃。

ベトナム戦記 (朝日文庫)

ベトナム戦記 (朝日文庫)