ピーチマン

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日本国債 感想

米国系投資銀行や証券会社で、日本国債のトレーダーや大手金融法人を担当する外国債券のセールス等を経験した著者による経済小説
 
国債引き受けシンジケート団による新発国債の入札が不調に終わる「未達」が生じ、ドル円に値がつかなくなるという大混乱を描いています。
 
日本経済が破綻する事についていまいちイメージが湧かなかったので勉強の為に購読しました。
 
感想として、儲かる儲からないがフォーカスされがちな金融市場ですが、金融市場も誰かの仕事なんだという事を思い出させてくれました。インターネットでお世話になっているShinichiro HoriさんのFacebookポストの1つに下記があります。
 
日本国債が「安全資産」なのかどうかという点についてはさまざま議論がありますが、大切な視点のひとつは「我々は生活者であって投資家ではない」ということだと思います。
 
結局、投資家は投資家として1つの立派な仕事であって、その点からいくと私は生活者で、だから金融市場を知る必要が無いという訳ではなく、生活者は生活者なりに(言い訳したくないのであれば)しっかりと人生設計をするべきで、その為に金融市場が自分の生活にどのように関わってくるのか、という視点を持つべきなんだと、この小説を読んで若干頭を殴られた気がしました。
 
ご家族をお持ちの方々で、金融に興味が出てきた方には一読しても損はないのかな、と。 

 

日本国債(上) (講談社文庫)

日本国債(上) (講談社文庫)