ピーチマン日記

ベトナム、サイゴンから、金融微生物が日記をお届けします。

オバマ米国合衆国大統領のベトナムの若者に向けたスピーチ翻訳3 Q&A編後半完結

昨日から引き続き、下記オバマ米国合衆国大統領がベトナムの若者に向けたスピーチでのQ&Aセッション部分後半の翻訳です。本記事で完結です。
 
米国合衆国大統領の言っている事を翻訳するには、世界平和というスコープで読まないと理解が難しい、という事がわかりました 笑 (結構真面目な意見。)

逆を言えば(良くも悪くもあると思いますが)、普段私がどれだけ小さいスケールで物事を考えているのか、という事を学ぶ事が出来ました。オバマ大統領、ありがとうございました。
 
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質問5:モンタナ州の大学から来た学生
 
地球レベルの環境問題、地球温暖化についてお聞きします。メコン川には沢山の水力発電ダムがあります。ダムを作る事は簡単ではありません。周辺国はそのダムの水力発電に頼っています。メコンデルタ地域各国を、経済と環境の利点を維持する為に団結させられるような提案はありますか?
 
またこの先5年、マリア(オバマ大統領の娘、今年ハーバード大学に進学が決まった)が卒業する事になるであろう年まで、貴方は何処で何をするつもりですか?依然忙しくするつもりですか?
 
 
そして5年後、ドナルド・トランプヒラリー・クリントン、もしくはバーニー・サンダースは大統領の任期を終えていると思いますか?
 
オバマ米国合衆国大統領:
メコンにおいては、ASEAN各国、東アジア首脳会議、メコンデルタの作業グループ、国務省を通じ私はメコンデルタ地域の人々に、国を超えた持続的な環境作りの計画作成を手助けする仕事をしていました。
 
貴方は指摘は正しいです。大きな課題の1つはメコン川を含む水資源への対処です。同じような問題はメコンデルタ地域以外でも起こっています。大きなダム建設プロジェクトは、意図していない結果を引き起こす事があるのです。
 
それは環境悪化を引き起こしている場所には共通のもので、私達は技術的なサポートを通じて、影響を被る国々と共に継続して働きかけるつもりです。
 
願わくば意味の無いダム建設を阻止する為、国際的なレベルでの話し合いが行われるよう情報の力が正しく使われる事を望みます。
 
例えばASEAN地域にて、小さい国々が共に働きかける事で情報の力がより大きくなる事がありました。それは環境問題に於いても、経済問題に於いても、安全保障問題に於いても起きています。
 
私は大統領になって以来、ASEAN諸国の為により多くの時間を費やさなければという大きな使命感がありました。今は過去とは違います。今、ASEAN諸国は政策決定の為の効果的なツール、情報の力を持っているのです。
 
またこの5年間ですが、世界の何処をみても若者達はとても素晴らしい事をしようとしています。それらを見ていると私はとてもエキサイティングしてしまいます。
 
私は今後、自分が過去に散々行って来た地域組織化活動のような公共政策を作る仕事をもう一度する事になるんじゃないかな?と自分自身を疑っています。その事によって私が今よりも少しも有名になること無く、ね。
 
また、米国の法律に関してですが、それはある意味楽観的だと言えます。他の国々は米国の選挙の仕組みを見て「なんてしっちゃかめっちゃかなんだろう」と思うでしょう。しかし最後には大抵、私達はなんとかしてしまいます。
 
なぜなら米国人は善良で寛大、真面目でハードワークを厭わない民族だからです。一般的な米国人は善い選択をしますよ。
 
米国の偉大な事の1つは、失敗した時でさえそれを正しい事として調整し、違った道を選べる事です。全ては大丈夫なのです。お約束します。
 
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質問6:
貴方はとてもハンサムですね!
 
オバマ米国合衆国大統領:
あぁOK、それで充分です。そこで止めときましょう!
 
質問6:
私の質問は人材と才能の管理についてです。AEC(アセアン経済共同体)とTPPへの参加は、ベトナムの才能ある人々を魅了したい外国企業への、ベトナムの大いなる挑戦であると示す事が出来ると思います。ベトナムの人達に彼ら自身の発展を追求する方法を提案出来ますか?
 
また、私達はどうやってベトナムの才能ある人々をベトナムに引き止める事ができますか?そしてベトナムの起業家にとっては確保すべき人材を失う事になるのでは?と心配しています。若い起業家はどのようにしてこの事と向き合うべきでしょうか?
 
オバマ米国合衆国大統領:
TPPによって、新しいビジネスの機会と、出資者やビジネス・パートナーとして他国の企業がベトナムにやってくるでしょう。私はもし彼らがベトナムの文化と仕組みを受け入れたら、多くの企業がベトナムのビジネスパートナーになりたいと思うと思いますよ。
 
彼らは若い才能を探しています。もし貴方がベトナムでビジネスを始める外資系企業に、ベトナムの才能溢れる人を紹介する会社を始めるならとてもうまく行くと思いますよ。
 
これは私が得意とするエリアではありませんが、例えば私が知っている所では、履歴書をアップロード出来るLinkedInのようなデジタルプラットフォームがそれに当りますね。
 
とても強力な仕組みです。貴方はそのような事をベトナムで始める事が出来ると思います。
 
起業家についての質問ですが、ちょっと質問内容が分かりづらいですね。才能あふれるベトナム人が何処か外国に行ってしまう、ですか?ベトナム政府は如何にこれらの才能溢れるベトナム人を引き止められるかですか?頭脳流出のような事態が起きる事を心配していますか?
 
なるほど、才能ある人を引き止める為の一番いい方法は報酬の仕組みを確かなものにすることです。つまり才能ある人が簡単にビジネスをスタート出来る、強力な法律と教育システムを用意するという事です。
 
税制やインフラについて政府の方針をはっきりと打ち出す事もとてもいいでしょう。そうすれば人々はここがビジネスをするには一番良い場所だと考えるようになります。
 
人々は国外に出る機会があっても普通は故郷の国を去りたくないものです。人々が去る時、それは物事に行き詰まった時です。
 
TPPに於いて、ベトナム政府はより良いビジネス環境を推進する為に法改定を行うでしょう。なので故郷の国を去る理由はあるはずもありません。
 
また、汚職が多いと人々はフラストレーションが溜まります。その時にも才能ある人は去っていきますね。後は良い教育システムが無い時もです。
 
より良い教育システムを本当に必要としているのは貴方ではありません、貴方の未来の従業員達です。彼らはまた、より良いインフラ、綺麗な道路、そして21世紀のビジネスを行う為のワイヤレスのサービスを求めているはずです。
 
環境問題に関連して、幾つかの国々では雇用を拡大する事が難しい事がわかりました。なぜならいくつかの都市では息をするのでさえ辛い事があるからです。人々はもし自分の子供が喘息持ちで息がしにくいのであれば、空気が悪い街で子供を育てたがらないのです。
 
もし貴方が才能溢れる人々を求めているのであれば、彼らのQuality of Lifeに注意を払うべきです。どの国に於いてもこの事が最後には力を発揮するはずです。
 
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質問7:クリスティーナさんとホアさん
 
私達は米国の人身売買から人々を救う機関で働いています。ベトナムではTPPの実施と共に、沢山の国々が彼らの工場をベトナムから撤退させると考えられています。人身売買業者は、この件で失業する労働者達につけこもうと考えているはずです。米国政府は現在、人身売買を防ぐために何をしていますか?
 
オバマ米国合衆国大統領:
人身売買防止は私達が最優先としているものです。米国では人身売買を防ぐ為に他国と協力出来る一連の政策があります。
 
それらは執行方法と執行機関の調整を行った事で現在、少しづつ成果が出てきています。人身売買組織にいいように利用されている人々を特定するには、非政府組織が大きな助けになってくれました。
 
TPPに於いて、米国合衆国は人身売買を防止する法規定がありますが、もしベトナムもTPPを早く進めるのであれば国内はそうですし、国を超えた人身売買も防ぐ為の然るべき法規定を持たなければなりません。
 
マレーシアでは移民の労働者を管理、保護する為に政府がどんなことが出来るかが重要な課題の1つになっています。それは然るべき監視方法についての法規制が必要だという事です。
 
人身売買業者は大抵とても賢く、1つ犯罪ルートを潰してもすぐまた別のルートを作ります。
 
彼らは大抵、自暴自棄になっている人々を狙います。政府主導で自暴自棄になっている人達を発見するのは難しいと感じています。パートナーとして非政府組織、人権保護団体に助けを依頼するべきです。私達は人身売買業者に負けない、どのような状況にもすぐに適応出来る柔軟さを身に付ける必要があるのです。
 
最後にですが、東南アジアの農村部の人々に仕事を提供する事、それは一番良い方法です。仕事を与える事は村々の若者に生計を立てさせ、教育を受けるチャンスを与える事になるからです。
 
人身売買業者は大抵、教育を充分に受けていない絶望的な状況にいる少年少女を一番に狙います。つまり仕事を提供して教育を受けさせる事は結局、人身売買を減らす事に繋がるのです。
 
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質問8:ニャット・リン 映画製作者

私はオバマ大統領の個人的な事に興味があります。あなたは今日のQ&Aの中で若い時は遊び回っていたと仰っていましたね。私はインターネットの記事で、貴方が以前マリファナを吸っていた事を知りました。何が以前の遊び回っていた貴方を、社会について考える人に変えたのかとても気になります。若者の多くは貴方の若い時と同じようなものですからね。

オバマ米国合衆国大統領:
私は以前「Dreams from my Father」(オバマ大統領の自伝)という本を書きました。貴方は、私が如何に自分の中にあるものに気づき、遊び回っていた過去と決別する事に決めたのか、私と全く同じ感覚を得る事は難しいはずです。
 
なぜなら私は若い時、自分の父を知りませんでした。私は祖父母と母に育てられたのです。私は多少反抗的だったと思います。何故なら父がいなくて寂しかったからです。

しかし歳をとるにつれ、居ない父について心配するよりも私は、自分に何をしてあげるべきか考えるようになりました。

その結果勉強するようになり、社会問題についてもっともっと考えるようになったのです。
 
私がリーダーになることについて学んだ事の1つは、人々は時にはお金や権力、または具体的な報酬を与えられる事によって動機付けられますが、人々はまた、人生や国、組織についての「ストーリー」を与えられる事によっても動機付けられるのです。

貴方がどんな会社、政治局、非営利団体にいようと、そこにいる人々に彼ら自身のストーリーを聞く事はとても価値ある事ですよ。何故なら大抵その事で、貴方は彼らのモチベーションの源泉を知る事が出来るからです。私達が一丸となる時、それは良いストーリーをお互いで共有したからなのです。

米国合衆国は独立宣言、「我々は平等である」というとても良いストーリーを持っています。
 
独立宣言が作られた時、米国合衆国は存在していませんでした。私達が考えられる限りの、とても良いストーリーがあっただけなのです。

ベトナムの人々もそのストーリーに魅了されましたよね?ベトナムが独立する際、ホーチミン国家主席は米国の独立宣言を引用しました。私達にとって、ストーリーを共有する事はとても大事な事なのです。

最後に、貴方がインターネットで読んだ記事は信じないように。
 
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最後の質問:スボイ サイゴンのラッパー
アーティストとして私達は言いたい事が沢山ありますが、国にとってアートと文化を推進させる事はどれくらい重要な事なのでしょうか?

オバマ米国合衆国大統領:
おぉ、あなたはラップ出来るんですね?質問に答える前に貴方のラップを見せて下さい。ビートが必要ですか?(ブッブブッブブ
 

www.youtube.com


スボイ:
金持ちだけど、とてもハッピーな人々について今ラップしました。しかしベトナムでは女性はラップするべきじゃないと言われるんですよ。

オバマ米国合衆国大統領:
なるほど、それは米国においても同じですね。アートは重要ですよ。表現する事はとても大事な事です。
 
先ほどの映画製作者の方に伝えたかった事は、音楽や詩を通じてあなたの生き方を表現することで、どのように人々をインスパイアするべきだろう、という事です。

人生はやらないといけない事の連続ですよね、食べる事、仕事、道路を作る事、そして建設されるダムが本当に無害であるかどうか確認する事など、やらなければならない事が沢山あります。

しかし私達はまた、魂を持っていますよね。どのように私の魂を表現すればいいのでしょう?どのように他人と共存していきたいですか?

アートについての最も重要な事の1つは、貴方が貴方自分についてどう考えるかというよりも、他人の痛みや希望を感じる事が出来る、という事だと私は思います。
 
私達が共に感じる事が出来る何かがある事を理解する、という事です。

だからもし私がアフリカの誰かが書いた小説を読んだなら、私は如何に私達が同じであるかを深く理解出来ます。もし私がベトナム語のラップを聴けば、きっとそれは私の中の何かと繋がるはずです。私はかなりベトナムに近づけたと感じるはずですよ。

それはつまり、私達が如何にお互いに働きかける事が出来るか、という事なのです。

アートは時に危険です。政府はアーティストの表現について神経質になる事があります。しかしもし貴方が貴方を表現する事を抑えてしまったら、貴方はまた自分の魂も抑える事になります。

米国の偉大な事の1つは、貧しいアメリカ人の日常を表現したラップを沢山世界に広めた事ですね。

人々がラップを始めた時を想像してみてください。米国政府はこれを徹底的に禁止しましたか?何故ならご存知のようにラップは大抵荒々しく、罵る表現が多分に含まれているから?それなら私達が今、ヒップホップを通じて感じた事は存在しない事になってしまいます。

あなたはベトナムの人々に彼ら自身を表現する事をもっとさせるべきです。
 
(終わり)
 
マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝

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